自動巻き 音 シャカシャカ カタカタ 等 ローターの巻き上げ音が大きいと気になる方は必見!!

いつもG-BALLERをご利用の皆様有難うございます☆ 時計修理担当の木村です!!

皆さんは自動巻き時計を使用していて、「シャカシャカ」や「カラカラ」といった音が気になったことは無いでしょうか?これは時計内部のムーブメントに内蔵されているローターが回転した時に生じる音です。

故障かな?と感じた方も多いと思いますが、これには理由があり故障ではありません。

中でも、今回ご紹介するROGER DUBUIS(ロジェデュブイ)をはじめ、PATEK PHILIPPE(パテックフィリップ)やA.LANGE&SOHNE(ランゲ&ゾーネ)の場合、自動巻きの音が大きく感じる人も多いと思います。

これは、各ブランドが採用しているマイクロローターとその仕組みに秘密があります。

通常の自動巻き時計のローターサイズマイクロローターとは? 自動巻き時計の音に付いて


このマイクロローターとは、従来のローター(ゼンマイを巻き上げるパーツ)サイズが、ケースの約半分程度の大きさで作られ、それを収める為にはケースの厚みが不可欠だった構造を、約4分の1程度にはまで小さく設計し直したローターで、ケースの厚みも最大限まで薄くする事に成功しました。

径が小さくなった分、回転数が群と上がった事で生じる高速回転音が「シャカシャカ」や「カラカラ」になるわけです。そして、音が大きく聞こえるもう一つの理由が、マイクロローター搭載モデルは、その殆んどがバックスケルトンなのですが、通常は2枚蓋を採用するところを1枚蓋にしている為、元々遮音性が無いガラスなので、音もよい大きく聞こえるという仕組みです。

ロジェデュブイ エクスカリバー 42 マイクロローターとは

このバックルスケルトンは、内部の精巧な機械式の美しさを楽しんでほしい事から採用されており、余程の自信がないと採用されず、いかにムーブメントを薄型化できるかという美意識を追及して生れた機構と言えます。

当たり前だった厚みのあるケースから、薄型化を成功させたマイクロローターゆえに生じる巻き上げ音は、製造が困難な上、コストも非常にかかる最高峰のマニュファクチュールだからこそ生まれる音なのです。

今回ご紹介したエクスカリバー以外にも、マイクロローターを採用した人気モデルとして、パテックフィリップのグランドコンプリケーションやパーペチュアルカレンダー、ランゲ&ゾーネのグランドサクソニア、ピアジェのアルティプラノ等があり、共通して薄さと美しさが追及されたラグジュアリーウォッチばかりです。

ここで少しROGER DUBUISというブランドにも触れておきます。ロジェデュブイと言えば、ブランドアンバサダーを務める前田健太選手をはじめ、GACKT(ガクト)さんやEXILEのATSUSHIさん等、多くの芸能人にも愛用されている高級時計ブランドです。

ロジェ時計の最大の特徴は何といってもムーブメントへのこだわりで、設立以来完全なるマニュファクチュール(※1)を確立し、全てのムーブメントにジュネーブシール認定(※2)を受けている唯一のブランドです。

(※1)マニュファクチュールとは、ムーブメント(駆動装置)から自社で全て製造する腕時計メーカーの事。ムーブメントメーカーでも有名なETA(エタ)等からムーブメントを仕入れて組み上げる「エタブリスール」とは反対の意味合いです。

(※2) ジュネーブシールとは、時計職人にとっては世界最高峰の栄誉と言われ、ムーブメント規格で最上位に位置する認定規格。認定ブランドはパテックフィリップ、ヴァシュロンコンスタンタン等の有名ブランドと数少なく、全てのムーブメントにおいて取得しているのはロジェ・デュブイのみです。